2012-01-01から1年間の記事一覧

スズコレ杯 後の祭りvol.2

さて、二つ目のお題です。 2.昔話「千寸法師」のエピソードをひとつ教えてください (@fuzuiRさん) スズコスケ:どストレートの下ネタ ヨシコレ:一つ目の回答にふさわしい感じのストレートさですね スズコスケ:逆に清々しささえ漂う ヨシコレ:「あそこ…

スズコレ杯 後の祭りvol.1

先日twitterのヨシコレさんと大喜利企画をやったのですが、非常にたくさんの回答をいただきまして、せっかく面白いのに当日放送で紹介することができなかったものがたくさんあったんですね。だもんでここで、5回に分けて、一題ずつ、当日ご紹介した回答を含…

放課後の別れ

「これ、返すよ」彼はそれだけ言うと、私にぷいと背を向けた。沈みかけた太陽が、彼の後頭部のすぐ横に居座っていて、眩しかった。私は安堵していた。こんな時に、私の心に浮かんだのは、まず、安堵だった。よかった。彼が後ろを向いてくれていて。きっと私…

モーセはプールに入れない

モーセはプールに入れない モーセはいつも体育座り 変なタオルでみのむしになって 準備体操をして プールに近付くと水面が割れる モーセはプールに入れない モーセはいつも蟻を焼く みんなの歓声遠い夏 腰洗い槽にすら浸かったことがない モーセはプールに入…

赤い糸

「わたしだって、恋がしたいわ。仕事ばかりの人生なんて、むなしいもの」終電に揺られて今日も帰路につく彼女は、深い溜息をついた。彼女は決して不美人でなく、むしろ美人といっていいほどの容姿に恵まれていた。そればかりか、天は彼女に二物を与えた。つ…

12.1スズコレ杯について

みなさんこんばんは、スズコスケです。 めずらしく、イベントの告知にここのブログを使います。来たる12月1日(土)、19時から大喜利大会「スズコレ杯」を開催します。 僕スズコスケと、ヨシコレさんによる共同イベントです。お題は全部ヨシコレさんに…

深夜の別れ話

高層マンションの一室、深夜。僕は彼女と激しく口論していた。「いい加減にしてくれ。もう、ここには来ないでくれないか。お願いだから」「いやよ、どうして。そんなのってないわ」こんなことを、何度繰り返したことだろう。疲労と嫌悪の色を濃くしていく僕…

歯医者

「じゃあ削っていきまーす」「お願いします」「痛かったら、右手を挙げてくださいね」「痛いんですか?」「深くは削りませんが、念のため」「分かりました」「ああ、それから単に右手を挙げたいときも、右手を挙げてもらっていいですから」「え?」「ですか…

猫轢かれないでほしい

最近、轢かれた猫を見なくなった気がする。昔はめちゃめちゃ轢かれてたじゃないですか。じゃないですか、っていうのもあれですけど、僕は田舎に住んでいたので、その時分はバンバン轢かれてましたよね。轢かれているのをよく見た、猫。まあ猫だけじゃなくて…

世界の車窓から

「世界の車窓から、ってあるけどさあ」「テレビ番組のね」「どこへだよ!? って感じよな」「え?」「いやだからさ、世界の車窓から、どこへだよ!? って、感じしない?」「しない」「してよ」「あれ別にどこからどこへ…みたいなことじゃないと思うよ、そう…

永遠の美

漫画「蟲師」に若い女の体に首を接げながら何百年も生きている桜みたいな美人が出てくるんですけど、あの、全然話変わるんですけどうちの台所洗剤ジョイなんですよ。除菌もできる。除菌もできるタイプの、ジョイなんですけどね。除菌のできないタイプのジョ…

草育て その2

以前、我が家で育てている謎の草のことを書いたことがある。何となく手に入れて何となく育てているうちに、何となく情が移ってしまったこの草。もう2年近く育てていることになる。最初は2枚だった葉っぱも今や数えきれないくらい(30枚はあるかも)に増…

眼鏡の壊れる夢

眼鏡の壊れる夢を見た。こう、ツルの根元というか、ちょうど折りたたむ時に稼働する部分のネジが取れてしまって、本体とツルが外れてしまった。それを直そうとするのだけど、心のどこかでは何故か直らないだろうなと分かっていて、それでも、眼鏡と外れたツ…

不思議な話をしよう

僕が経験した怖い話、というか不思議な話がひとつある。今夜は、それについて話そうと思う。少し長くなるし、あまり怖くはないから、読みたい人だけ読んでくれたらいい。それは僕が小学生、多分八歳くらいかな、の時の話なんだけれど、当時うちの実家は山の…

喫茶店での二人の会話

「コーヒーが本当に美味しいのはね」 熱いカップを唇から離し、湯気の向こうの彼女はまっすぐに僕を見つめている。 「はじめの三分だけなんだって」そうかもしれない、と思った。 彼女と知り合って、もう二年になるだろうか。いや、三年かな……? とにかく、…

取得時効

あるマンションの一室で、若い男女が会話をしている。「取得時効は何年だったかな」「十年よ、有過失なら二十年」「では僕が、君を占有して二十年を過ごしたら、君は僕のものになるというわけだ」「そうね。あら、でもそれは私だって同じことよ。私が二十年…

僕のタイヤがパンクした話

twitterの発言をまとめることのできるサイトであるところのtogetterに、まとめを載せました。パンクしました。

かりそめの王

今度の休みに職場の採用試験がありまして、その試験監督に駆り出されることになったので家でマニュアルみたいなの読んでるんですけど、あのー、ヤバいですよ。なにがヤバいって、そのマニュアルの「監督員」の項目に、「監督員は、その室の試験実施について…

僕は予備校で働いていた

ちょっと昔の話をしましょうか。twitterでも何回か言及したことがあるんですけど、僕は予備校で働いていたことがあります。働いてたといっても講師じゃなくって、単なる大学生のアルバイトなんですが、休み時間の合間に教室に現れて話をする(受験の体験談と…

月が綺麗ですね

「月が綺麗ですね」 荒涼とした地平を眺めながら、男は女にそう言った。 かつての文豪が、ある文章をそのように訳したことがある。彼は彼女を愛していたし、彼女もまた同じであった。 それを聞いた彼女はしかしつまらなそうに、足元の小石をコツリと蹴飛ばし…

ドロップじゃないこともないんじゃないですかね

節子、それドロップやない! 「……」 あ、いや… 「…………」 まあ、まあ分かりませんよ? 僕舐めてないんで、僕舐めてないんで分かりませんけど、ドロップじゃない、んじゃないですかね。 ドロップかなー、ドロップじゃ、ないんじゃないかなー、みたいなね。 や…

ショートコント、居酒屋

「あ、レモンしぼっていい?」 「うん」 「義父に」 「はい?」 「レモン、しぼっちゃっていいよね」 「唐揚げに?」 「義父に」 「ダメだよ!」 「めんどくさいし、もう全部絞っちゃうからレモン。義父に」 「聞けよ、ダメだよ」 「ダメなの?」 「なんで僕…

生きろそなたはGalaxy

いやあ金環日食。金環日食でしたね。皆さん見ましたか? 僕は見ました。厳密には、僕の住む仙台では金環にならなかったものですから、「部分日食を見た」ということになりますが。 というか本来僕はこういう、天体ショーといいますかなんといいますか、そう…

短い箸の話

僕は勤め人であって、昼は家から持って行った弁当で済ませている。夜の残りを詰めて朝にちょいちょいと足したような、味も素っ気もない弁当だけれども、昼食を楽しく済まそうなどという欲望が限りなくゼロに近いので、一向に構わないのである。 ついでなので…

街頭募金を見て考えた

仙台の街中をボケッと歩いていたら「よろしくお願いしまーす!」っていう元気のいい声を浴びせられて、目を向けたら地元の高校生とおぼしき女の子が、被災地支援の募金をしていた、ということがあった。あった、というか、つい今日の話なんですけど。 でまあ…

ボトルネック

みなさんはボトルネック、という言葉をご存知でしょうか。 物事がうまく進まないでいるとき、その遅滞の原因となっている部分のことをこう言ったりするのですが、たとえば道路なんかね。よく渋滞する道があったとして、途中一車線になってるところ。ここなん…

地球にパンチ

震災以降特に疑問に感じるようになったのは、「全部誰かのせいじゃないいといけないのか?」ということです。 「怒ってしまった悪いことは、全て誰かのせいでなければならない」という強迫じみた観念が、社会を縛っている気がする。 もちろん国や地方自治体…

世界の終焉

丸く大きな月の出た、明るい夜だった。 今日、世界が終焉を迎える。そういうことになっている。街の灯りは消え、車の騒音も聞こえない。静かな、世界の終焉にふさわしい夜といえた。 ある夫婦が、明かりを落とした家の窓から、夜空に浮かぶ月を眺めている。 …

銀行強盗

昼下がり。気だるい空気に包まれていた銀行内に、鋭い一発の銃声が響いた。 「動くんじゃねえ」 帽子を目深にかぶった一人の男が、火薬の臭いの残る拳銃を行員に突きつけていた。もう片方の手には、大きく口の空いた、ショルダーバッグが握られている。 「こ…

もうたくさんです

さーて、今日もネットで便利に買い物をしようかな! 何買おう! 和風だしとかかな! 和風の、だしとかかな! あ、アマゾンさんだこんにちはー。 え? えー! ええー! いきなり何言ってんですか。ていうか女性だったんですか。びっくりするわ。出会いがしら…