福の輪郭

 鬼の目ん玉ぶっつぶせ! どうも節分です。こんばんは。


 豆まきの掛け声といえば「鬼は外、福は内」ですが、いったい福はどこに居るのだろう。鬼は分かる。豆をぶつける対象として、具体的に居るものね。お父さんやら先生方やらが鬼になる。だけど、福役は居ない。どこを探しても見当たらない。「鬼は〜外!」は鬼めがけて力いっぱい、「福は〜内!」のとこは、みんな虚空に向かって豆を投じるのがならいだ。福ってなんだ。


 鬼が災厄の象徴として明確に可視化される一方で、福のイメージがあまりにもぼんやりしている。これは地獄が針の山や血の池といった各種アトラクションが充実しているのに対して、天国はなんとなーく光があふれてて、緑があって…みたいな感じの漠然としたイメージに終始するのと一緒だ。人の想像力は、悪い方にはバリバリ働く。


 だから仕方ないかなー、なんて思ったそこのお前! 甘い! あきらめんな! 本当に福を招き入れたいなら、もっと具体的なイメージを持て! そうして豆をまけ! そんなことだから銀歯は取れるし、なんとなーく膝は痛いし、実家の猫にはシカトされるんだよ!!


 ちなみに銀歯が取れて膝が痛くて実家の猫にシカトされているのは俺です。福は内。