清くない一票を投じる覚悟があるか

 来ない。待てど暮らせど一向に届かない。

 明日ある地方選挙の、通知ハガキが届きません。一応ハガキなしでも投票はできるらしいという情報は掴んだので一安心なのですが、ただ、当日の朝に理由を説明して、本人確認をしなければいけないらしい。あー、そのくらいならいいかなぁ、と思ったのだけど、ちょっとその「理由を説明」ってのがひっかかっている。

 なんとなーく、「無くしたハガキを『届いてない』と言い張る人」っぽい。

 「やーあの、ずっと待ってたんですけどうちにだけ届かなくて…そういうことってあるんですねー、で、どうすればいいですか?」って、うひょうなんだろうこの後ろめたさ! 事実だのに! 自意識過剰? や、俺が受付だったら思うもの。「(あーコイツ自分で失くしといて何言ってんだ)そうですか、それではこちらでお名前をー」って。嫌だ! そのスルーが辛すぎる! もう問いただしたい。受付のお姉さんの肩を掴んで「おいお前、今絶対疑ったろ! え? 絶対思った! 思ったもの!」ってすみません取り乱しました。まあ、なんとなーくスッキリしない、という話。

 だからといって、無くしましたー、って言うのも悔しいですし。この悶々とした気持ちを抱きつつ明日投票所に行くことになるわけですが、行くとなると別な問題もあって。この世界の誰かが、俺のハガキを持ってるわけじゃないですか。宅配ミスか何かで。その人がもし俺のハガキで投票してしまっていたら、当日行ったところで「あなたはもう投票済まされてますけど」ってなる。「えっこの人なんで二回来てんの怖い!」みたいに思われそうで怖い。なんだよもう。お互い怖いよ。人が信じられないよ。

 あーもう、なんだか、なんだかです。汚れた。俺の一票は汚れてしまいました。そんな清くない一票ですが、投じても大丈夫ですか。ダメって言ってくれたほうが気が楽なんですけど。行きたくねー。いや行きますけど。でも行きたくねー。