平和な一日

 洗濯ネットは世界一綺麗な布かも知れない。全く汚れていないのに、毎回毎回洗濯され続けているのだ。このままこいつはどんどん綺麗になっていく。貴族だ。洗濯ネットは繊維界の貴族だ。

 なんてことを考えながら洗濯をしていた。今日はとてもいい天気です。秋風がさらりと吹き抜けて心地よい。ベランダで風にそよぐ洗濯物と、ゆっくり流れていく真っ白な雲をみていると、とてもさわやかな気持ちになる。

 今日は休みだけれど、特別何かするでもなく、起きて、洗濯して、コーヒーを淹れて、本を読んで、昼にカレーを食べて、今こうしてブログを書いている。まったくもって普通だ。絵に描いたような普通さだ。誰かに伝えるべき一大事なんか、何ひとつ起きていない。

 ただそんな一日であっても、洗濯をすれば冒頭に書いた変な発想が頭をよぎるし、コーヒーにしても豆をちょっと粗めに挽いて新境地に挑んだし、カレーを食べたのは読んだ本に「カレーは目を瞑って食べると味が全く変わる」旨の記述があって実践したかったからだ。誰かに言うほどのことではないけれど、こういう普通の中でこそ自分の中ではめまぐるしく何かが動いている。そういうのを良い休日って言うんじゃないのかなあ! なんて考えている。ほとばしるほど平和だ。

 ということで(どういうことだか)夕食は角煮にする。バラ肉と卵と大根がとても安かったのだ。ことこと煮込む。