ヘソ山田君

「おーい、ヘソ山田」

「細山田です」

「いいところで会ったよ、ちょうど探していたんだヘソ山田を」

「細山田です」

「ヘソ山田さあ」

「細山田です」

「昨日職員室にこの教科書忘れてっただろ、ほら、名前が」

「細山田ですね」

「ヘソ山田って書いてある」

「ありがとうございます、でも細山田です」

「相変わらずおっちょこちょいだなー! ヘソ山田は!」

「スミマセン、でも細山田です」

「まあ気をつけろよ、よーしじゃあみんな席に着けー出欠とるぞー、相沢ー、井上ー、…平塚ー、細川ー、ヘソ山田ー」

「おかしいでしょ」

「本多ー」

「順番おかしいでしょ」

「ヘソ山田どうした」

「細山田です」

「居るのは分かったから」

「細山田ですって」

「ヘソ山田は出席、と」

「わざとやってるでしょ」

「ヘソ山田…悩みがあるなら聞くぞ」

「細山田です」

「直接言いにくいことならアレでもいい、メールでもいい」

「何度も言ってます」

「よし、じゃあ聞こう、ヘソ山田のアドレスを聞こう」

「細山田です」

「hesoyamada@〜?」

「違います」

「ドコモでいいの」

「違います」

ソフトバンクだっけ」

「そうですけど違います」

「今メールしたから」

「届かないと思いますよ」

「早っ、返信早っ!」

「それ違いますよ」

「これは後でちゃんと読むから。先生絶対ヘソ山田の味方だから」

「細山田です」