ジグザグはすごいジグザグしてんなあ、という話

 ジグザグといえばマンガの稲妻みたいな、「くねくね」に直線的なキレを加えたような言葉ですけど、これ元々は英語ですよね。zigzag。


 ほんでこの外来語ジグザグ、いまやほとんど日本語としてその地位を確立しているっていうか、すっかり根付いてる。これって結構すごいことじゃないか。こう、ジグザグした線を見たらあージグザグしてるわーってなるし、より適切な表現が他に見当たらないくらい、ジグザグは完全に日本語(日本人の使うことば)に組み込まれている。デーブ・スペクターだ。日本語界のデーブ・スぺクターだ。


 思うに、ジグザグ導入前の日本語に「ジグザグ的なもの」を表現するぴったりの言葉が無くて、そのぽっかり空いた隙間に、外からやってきたジグザグがスコッとはまった、みたいなことじゃないか。ジグザグって言葉が入ってきて初めて、日本に「ジグザグ的なもの」が生まれたとも言えるけど。でもそれ以上に、音とか字面に対する共感覚みたいな要素ってすごい影響してると思う。ジグザグ。この音、この形。完全にジグザグ。


 意味と音と形がシンクロしている言葉は気持ちよく響く。すぐには思いつかないけど、ポップアップ、とかもなかなかいい線いってる。