底冷えする京都の友人へ
拝啓
昨年も大変世話になった。そちらもそろそろ試験やら論文やら、色々と慌しくなっていることと思う。体に気をつけて頑張ってくれたまえ。
そうそう、先日送ってもらった例の酒は、年始に実家で開けようと考えている。おめでたい席にはおめでたい物が付き物だが、自分までおめでたい人になってやろうという寸法だ。どうだ、おめでたいだろう。追ってこちらからも何かしら送るつもりであるので、期待せずに待っていてほしい。
本年もお互い楽なことばかりではないが、低空飛行で乗り切ろうじゃないか。成功を祈る。
乾風が身を切る仙台の友人より
という感じの年賀状を書いたのです。年賀状を書きたくて、というよりは手紙を書きたくて書いた。森見富美彦の「恋文の技術」を読んでから、手紙を書きたい衝動がずっとくすぶっていたのだけれど、急に送るのもなぁ、などどと逡巡しているうちに世は年賀状シーズンになっていた。これは僥倖。
月並みだけれど、手書きの文字にはやっぱりMSゴシック以上のものが載せられる気がするし、投函してから届くまでの期間というのもまた良いものですね。勢いで色々な人に書いてしまった。これを機会に、たまに手紙を送る習慣をつけるのもいいかも知れない。
- 作者: 森見登美彦
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