私は ぶれる! と胸を張れ

 カオス理論のこと。「自然現象ってちょう複雑だから、人間には予測できませーん」ってことだと思ってた。でもちょっとニュアンスが違うらしくて、「たとえ自然法則を完璧に解明しても、カンペキな予測なんてムリ。マジムリ」って感じらしい。

 まず、どんな予測にも初期値が必要です。天気予報だったらある時点の気温とか、湿度とか。その初期値が曲者で、予測の過程が正確であればあるほど、初期値の小さな違いが結果を大きく変えてしまうのです。初期値鋭敏性っていうらしいですけど。仮にハイパーインテリジェント天気予報システムがあったとしても、初期値として入れてあげる数値が20℃と20.00001℃じゃ、結果が晴れと雨になったりする。そんなイメージ。

 じゃあ初期値を完璧に測れば…てことなんですが、どんどん正確にやると、20.0000…と無限に続いてしまう。それを断ち切るには、ええい大体これくらい! っていう思い切りの良さが必要なのだけど、するとどうしても不確実さは残る。だから正確な予測もムリなんだよ。という話。多分。多分ね。

 ときに、俺は毎日同じような生活を繰り返しているけれど、頭に浮かぶものは毎日違ったりする。同じものを見ても、今日と明日では180°とは言わないまでも、150°くらいは見方が変わることがある。これは自分がぶれているせいだな、自己が確立していけばそんなこと無くなるのだろうな、って漠然と考えていたのだけれど、ちょっとそれは違うかも知れないぞ、と思い始めている。

 自分がどんどん確立されてきているから、考えがぶれるのだ。初期値鋭敏性である。ハイパーインテリジェント俺システムである。だから昨日と違う考えに至ったからといって、未熟だとか、浅はかだとか、そんなことを気にする必要は全くなくて、自由な思索と自由な発想を求めて、今後もどんどんぶれていったらいい。胸を張ってぶれるべきだ。私は、ぶれる! みたいな。カッコ良いのか悪いのか。