献血の思い出

 献血センターから協力依頼の電話が来て、あ、そういえば最近サボっていたな、なんてことを思い出した。職場が変わって忙しかったし、前の職場はちょいちょい献血バスが来てくれて便利だったのだ。

 献血バスで思い出した。以前あれでひどい目に遭ったことがある。前の職場にいた時、献血バスに乗り込んだらすごく混んでいたんですね。その時点で、ああしまったぁ! という感じなんですけど、というのも、俺は血の出が悪いらしくて、平均よりも献血に時間がかかってしまうのです。引き返すわけにもいかず、野戦病院と化した車内でちょろちょろ血を抜かれる俺。申し訳ない! こんな自分がふがいない! と思いながらベッドの回転率を下げていた。ボールをにぎにぎして。

 はじめのうちは優しかった係のおばちゃんも、なかなか規定量に達しないもんだから、なーんかそわそわしている様子で。そのうちなんかもう、我慢できなくなったんでしょうね、「これ飲んで!これ!」って景品の缶コーヒーを大量に持ってきた。ええー! 持ってきちゃった! 景品持ってきちゃった! びっくりするやら申し訳ないやらで、言われるがままに飲んだ。3本くらい。

 その甲斐あってか無事400mlを達成できたんですけど、いいのかなー。最後の方の100mlとか、ちょっとコーヒー味だった気がするもの。輸血された人が眠れなかったら、それは俺のせいです。あと、終わった時にもらえた景品がやっぱり缶コーヒーで、もう飲めねえよ! って思った。