おうちに帰ろう

 今日はちょっと早く帰れた。辛く長かった議会もやっと終わり、昨日辺りから早めに帰れるようになってきています。良きかな良きかな。しかし日が短くなったことであるなぁ! いつも夜中に自転車を漕いでいたので気づかなかったけれども、夕方なのにまっくらだった。これから世界はずんずん冬に向かっていく。

 ところで、今日はちょっといいことがありました。それは自転車で帰る道すがら、大通りを抜けて、自分の住む住宅街の入り口に差し掛かったとき。目の前にあったのは毎日見ている風景だったのだけど、それを見てすごく安心した。ホッとした。この感情をなんて表現すれば良いのだろう。「ああ、帰ってきたなぁ」というか、ホッとして泣きたくなるような安堵の気持ちがした。

 今までは毎日通っていてもそんな気持ちになったことなんて一度もなかった。ただ淡々と職場に向かい、我が家に帰る。街並みはその途中にあった単なる風景だった。それが今日は、全く違ってあたたかく見えた。

「冬になったなぁ」
「もう夜か」
「あ、爪切ろう」

 連続している物事のはずなのに、人間はどこかしらに境界を定めている。この街に暮らして1年とちょっと経つけれど、今日やっと、自分がこの街の一部になれた気がする。