ブログに流れる時間

ブログが好きだ。書くのも読むのも好きだ。

ブログを読むことは、他人の人生の追体験です。自分一人がカバーできるアンテナの範囲なんてたかが知れていて、他人のブログを読むことでそれを補っている。その人は、自分が遭遇しないであろう出来事を運んできてくれるし、それについて自分が持たないような考察を示してくれるたりする。これはすごいことだ。というか、楽しい。

翻ってブログを書くのは、単純に楽しいからです。書こうと思うと色々なことに目が向くし、考えるようになる。アンテナが高くなる。カメラを持っていると風景をよく観察するようになるのと同じだと思う。

あとこうして毎日書く動機のひとつに、昔の記事を読まれたくない、というのがある。昔のエントリーは恥です。もうホント消し去りたい。や、本当に消したいほど嫌なものじゃないですよ? 読めば読んだでこそばゆいながらも面白いんだけど、できたら他人には読まないでいてほしいなー、と思う。

だからこうして毎日せっせと書いては、昔の記事を奥へ奥へと追いやっているのです。ここを見てくれている人が、ちょっとだけ奥に行きにくいようにしている。ゆるーい心のバリケードを重ねていくのです。

一方誰かブログを読むときは、真逆のことをする。最新のエントリーを読んで、あとはずんずん掘り進んでいく。その人の過去へ向かってぐいぐい読み進めていくのです。

ブログは書く時と読む時で、時間の流れが変わる。自分のブログを書く時は、過去から今へ順方向。他人のブログを読む時は、今から過去へ逆方向。ブログの世界に流れる時間は、対面通行だ。