遡上する鮭の気持ちとか乙女心のむつかしさとか

今日は午前中に投票済ませてきました。

んであのー、どこの党がどうで、みたいなアツい話は全く持ち合わせていない日和見選挙民なんですけど、あのー、あれだけは気になっている。

いわゆる出口調査、というやつ。

投票を終えた僕たちは一箇所の出口から、一斉に外に出て行くわけじゃないですか。そこに待ち受ける、各テレビ局の出口調査員。わらわらと群れになって出てくるうちらを一網打尽にしていく様が、鮭の遡上を狙うヒグマっぽい光景だなぁ、と思う。毎回思う。

え、似てないですか。似てるよ。待って、俺が正しい。すごく似ている。ずわわー、と出て行く俺たちを、ばっしゃばっしゃしながら次々に捕まえていくわけだ。奴らは。だから毎回、狩られてたまるか! と思ってる。や、狩る狩られるとかじゃないですけど。むしろ協力した方がいいかなー、くらいのことは頭では分かります。大人ですから。

でも感覚的には「捕まったら負け」である。なんだろう、俺の前世鮭かなんかかな。知らないけど。でも本当に捕まらないぞ! みたいな気持ちになる。どこぞのバイト野郎に投票内容を晒さないぞ! みたいな。

そんでびくびくしながらも強い決意を胸に、今回も出口へ向かったんですけど、そしたら、なんか見向きもされずに通れてしまった。あっさりスルーで。あれー。えー、いいの? 通っちゃいますよ? 投票先を知らせることなく、通っちゃいますよー!? このまま家に帰って、おさつチップスふしゃふしゃしながら文庫本読んじゃいますよー? おーい…。

果たして、完全スルー。アレですか、興味なしですか。つい最近選挙権持ったような若造の意見なんて、狩る価値なしですか。なんだよ! もっとこう、ガツガツこいよ! 面倒くさいながらも、ちょっと晴れがましかったりするんだよ!

まぁ、これは複雑な乙女心というやつです。乙女ではないか。乙女ではない。