点灯!

 うちの職場のトイレには「消灯!」というやたら偉そうな張り紙があって、お前は俺の上司か、みたいな感じで見るたびムッとしている。消すけど。消すんだけど。

 ところでこのトイレの電気、ボタンを押してから点くまでのタイムラグがあって、たまにこう、押したと思って用を足しはじめても、実は押せてなくて、わー真っ暗ー、みたいなことがある。廊下から漏れ入る光で、実は意外に困らないんですけど、ただこの時、他に誰かが入ってくるとなれば話は別で。

 まず間違いなく、ひぃ! ってされる。

 その人からしたら、誰も居ないと思って電気付けたのに、既に人が居るわけじゃないですか。これは怖い。ひぃ! 妖怪! みたいな。厠にまつわる妖怪。違う妖怪じゃない! 総務の○○です! って、そんな弁解をね、するのもおかしいじゃないですか。トイレで。トイレでっつーか。まぁ、おかしいじゃないですか。で、どうすることも出来ず、ただただ手を洗って先に外に出る度あーあーと思って、次こそきちんと点灯しようと、そう決意せずには居られないのです。