企業努力とかコーヒーへの理念とか

 コーヒーを淹れるときに使っているドリッパー(あの、フィルタとか挽いた豆とかをセットするアレです)、実は素材がプラッチックです。多分安かったから買ったと思うんだけど、最近知ったことには、これの耐熱温度が90℃なんですよ。

 え、ダメじゃん、ていう。沸騰したお湯は100℃ですよ。水は100℃で沸騰しますよ。それにこう、僕たちは注ぐわけだよね。ちょろちょろと。ダメじゃないか。怖い。何か溶け出ていたりしないだろうか。そもそもメーカーは何を考えているんだ。小学校で何習ってきたんだ。大丈夫か。

 で、このメーカーはアホばっかりなのかなー、「水の沸点90℃じゃね? えへへー」みたいなアホばっかりなのかなーって思ったんだけど、刹那、頭に閃きが走った。あれじゃん、90℃といえば、コーヒーを淹れるのに最適な温度じゃないか! 苦味と酸味がバランス良く抽出される、ベストなテンプラチャーが90℃だった!

 ええー! この事実に気づいた瞬間の気持ちっていったらない。アホアホメーカーと思っていたのに、実は側は恐ろしく配慮に満ちた企業だった。耐熱温度をあえて低く設定することで必然的に、抽出温度を知らないコーヒービギナーでもおいしく淹れることができるよう導いていた。すげえ! きっと90℃なのは、わざとなんだろうなー。技術的にはもっと高くできる。でもおいしいコーヒーを世に広めるために、あえて90℃にしている。かっこいい。それをあえて公言しないのもかっこいい。ステキなコーヒーライフをユーザーに提供するために、汚名を甘んじて受ける。その姿勢に感動した! まあ、汚名を着せたのは俺です。

 でも、よく考えたら抽出の前に、一度熱湯を注ぐんだった。器を温めたりフィルタの紙臭さをとったりするために、100℃近いやつを注ぐのだ。ダメじゃん。おい。どうなってる。

冬をかたち作るいろいろ

 昨日の晩から今朝にかけてすごく寒かった。ニュースでは11月下旬並みだとか言っていたけど、本当だろうか。この寒さで11月下旬だったら、2月なんてどうなるんだろう。恐ろしい。地球温暖化はどうした。

 来たる冬を乗り切るべく、今日は部屋のラグを夏用から冬用に替えて、もこもこ長座布団を出して、コタツとオイルヒーターの試運転をした。何ヶ月ぶりかに使ったコタツとヒーターからは、焦げ臭いにおいがした。溜まったホコリが焼ける、懐かしいような切ないような、乾いたにおい。冬が来るなぁ、と改めて実感しながら、模様替え終了。

 これでいつ冬が来ても大丈夫だと安心しつつ、この部屋に居ると、なんだか冬の真ん中に居るような気分になってくる。寒くなってきたから色々と用意をしたけれど、この部屋に冬を連れてきたのは自分自身なのかもしれない。

 季節は暦や天候だけじゃなくて、向かい入れる人達の準備や、心構え、それをひっくるめた全部のことだと思う。みんながコートを着だしたり、鍋をつついたりするうちに、少しずつ冬が輪郭を鮮明にしていくんじゃないかな。うまく表現できないけど、コタツでミカンを食べながら、自分も冬の一部になったような気持ちでそんなことを考えている。冬だなあ。