変身

目が覚めると毒虫になっていたとかいうあれではなくて。

日中家で息子が嫁に「お姫様にな〜あ〜れっ!」って魔法をかける、嫁がそれに変身する、みたいな遊びをしておったんですが、まあ変身後はお姫様だけじゃなくてダンゴムシだったりオバケだったり自由自在に魔力を発揮しておりました(嫁が頑張っていた)。

そんでまあ、混ーぜーてー、なんつって、「お父ちゃんも何かに変身させてください」とお願いしたら、息子氏曰く

お父ちゃんは、何にもなれないから……

いやいやいやなんかあるだろ! なんだろ、なんでもいいわ! 虫けらでもなんでも、頑張ってやるからさ! 何者にもなれないなんて、僕は絶対に嫌だ!

って自意識こじらせた青年みたいな気分になっておったんですが、まあ、既に変身してんなあ、ってふと思ったんですね。そういう話です。そういう話をします。ここでは。っていうかもう終わりますけど。

何者でもなかった僕が、しっかり「父親」というロールを与えてもらっていた。お父ちゃんは、お父ちゃんなんですよ。それでいいじゃないか。小さな魔法使いは、しっかり僕に魔法をかけてくれていた。


あと頼み込んだらMAXやまびこに変身させてくれました。走るぞーー!!